課題
当時の所属組織では所属会社の社長と先方社長で意気投合して始められる「相互の国内事情の技術情報交換を目的とした国際アライアンス」が数多く開催されていました。私はその事務局を担当していたので双方が知りたい情報を集約して社内関係者といっしょに欧米・アジア諸国へ出張することが何度もあったのですが、実際には社内で「該当技術に詳しく」かつ「英語でのディスカッションが得意」なメンバーは固定されており、アライアンス先の企業数が増えれば増えるほど何のための会合なのかわからないまま稼働が増殖してエース級社員が疲弊していく構造となっていました。
重視したポイント
(当事者でなければ当たり前に気づくポイントだと思いますが)私が取り組んだのは
- 相手との情報のGive&Take状況
- 親密度(どのくらいの頻度で打合せをしているか)
の見える化と、それにともなうリバランス(親密度を上げるべき相手とは打合せ頻度を上げ、そうでない相手とは打合せ頻度を下げる)です。
解決方法
まずは社内関係部署のキーパーソンを回り「相手から引き出したい情報」のリスト(Takeリスト)を収集しました。合わせて「相手が欲しがりそうな情報」のリスト(Giveリスト)も収集しました。
次回会合に向けたディスカッション希望内容は定期的に相手企業から届きますので、これに過去1年間の会合開催回数を追加し、以下のような図にまとめました。※図は実際のものではなくイメージです
- 横軸:相手企業から引き出したい情報の多さ
- 縦軸:相手企業からリクエストが届いている情報の多さ
- 円の大きさ:過去1年間の打合せ頻度(円が大きいほど頻繁に打合せをしている)
としました。
こちらの図と(GiveとTakeの)リストを元に各部のキーパーソンの感触を確認し担当常務に各社とのアライアンスのペース配分を相談することで、各社との親密度(Giveする量・打合せ回数)を調整しました。